沢渡日記

日々徒然

20210904

朝六時半に起きる。昨日の夜、音楽を聴きながら眠ってしまったようだ。ベッドの中で小説の続きを千字ほど書く。私の中にいるサイコパスを存分に泳がせると、心が不思議と落ち着いた。ベッドから出て、昨日の宴の片付けをする。キッチンで洗い物を済ませて、部屋の掃除と洗濯をする。誰も家に来る予定がなくても入念に。突然男の人と始まってからでは…昨日の筋トレと以下同文。家事がひと段落して、グラスにハイボールを作る。ポッカレモンを七滴垂らした。煙草を吸おうとベランダに移動するところで、爪先でグラスを弾いて横倒しにしてしまう。テーブルに溢れた氷をしばらく眺めた。綺麗だ。気を取り直して床とテーブルを拭き、もう一度作り直す。サングラスをかけて、ベランダでタバコを吸う。イヤホンをつけて藤井風を流して、青空を見上げた。灰皿に並んだ吸殻を数えると、今日で八本目だ。シャワーを浴びてからチャーハンを作って食事にする。食後にコーヒーを淹れて、生のプルーンを食べた。午後、病院でファイザー製のワクチン一回目を打つ。広い待合室で車座になった人たちが、カートを引いたお医者さんに次々と注射されていく。圧巻だった。十五分待機して解放となった。いつものカフェに寄って、浅煎りのコーヒーを飲む。珍しく混んでいたのでカウンター席に座り、店主の女性と話した。最近、少しずつ仲良くなってきた人だ。アート作品の写真を二人で眺めた。その中に、熱で溶けて崩れたような形のランプがあった。きれい…と彼女は呟いた。私はあまり好きではなかった。外見は精巧で隙なく整っていて、内面は収集つかないほどのカオス。そういうものに心を掴まれてきたし、自分もそうありたいと思う。夕方、ネイルのメンテナンスに行く。さっきのランプの話をしたら、ネイリストさんが、…さん絶対幸せになれないわ、と笑った。そうだよね。私も笑って返事をした。だから仕方なく…というのもどうかと思うけど、創作を始めた。私の平和な日常と、私の暗く歪んだ趣向。その二つをきっぱり分かつ試みとして。帰り道、スーパーで買い出しをする。明日ひょっとして辛いのかもしれないから、好きなものを買おうと思う。パン屋でクリームパンやレーズンパンを選ぶ。バターロールも。アボカドスライスに乗せるための岩海苔もカゴに入れた。