沢渡日記

日々徒然

20210815

店はスロースタートだった。植木鉢の周りを掃除する余裕があるくらい。お昼過ぎから混み出して、そこからはあっという間だった。シェフから、その手順だと時間かかるから作業はまとめて、と言われる。うん、と思いながら、こっちも考えてやってるし、人に指図されるのは本当に嫌いだな…と思う。仕事明け、賄いは他人丼。美味しかった。食後、アイスコーヒーを飲みながらシェフとスタッフ君と三人でニコレスを吸う。料理の人ってタバコ吸わないと思ってた…と言うと、クリエイティブな人は皆吸うよね、とシェフが言う。私はIQOSを使うのが初めてで、スタッフ君に手ほどきを受ける。清掃の仕方まで教えてもらって、すっかり買う気満々になった。彼とは一ヶ月ほと一緒に仕事をしているけれど、最初は目も合わせてくれなかった。今は朗らかに私の名前を呼んでくれて、あれこれ親切にしてくれる。シャイで可愛いなと思った。夜、居酒屋で昔の同僚に会う。手羽先焼きを頼むと、全部食べていいよと言う。嫌いだった?と私が聞くと、手が汚れるのがイヤなんだ、と品よく笑った。そんな言い方をさらっと天使みたいにする人だったな、と思い出す。お互いの近況を話すだけでは飽き足らず、スタバでコーヒーを買ってさらに話し込んだ。女の話、していい?彼がぽろっと言い出したので、驚いた。十年くらい知ってる人だけれど、恋愛の話なんて一度も聞いたことがなかった。私たちはもう利害関係のない、ただの友人になったんだな、と思った。コーヒーを飲みながらゆっくり話を聞いた。後戻りできない、大人の恋愛だった。